要点: ドロップシッピング自動化プラットフォームが担うのは、販売後の仕入れ、出荷、注文の振り分けです。何を売るべきかまでは教えてくれません。その判断材料は自分のストアの外にあります。競合が広告費をかけている商品、その広告の掲載期間、同じ商品を売る5つのストアが実は1つの事業者ではないか。そこを調べる必要があります。
「売れる商品」のリストには、どれも同じ弱点があります。何が広告に出ているかは分かっても、何が買われているかは分かりません。この2つを取り違えると、ドロップシッピングではお金を失います。先週40のストアが広告を出していたから売れると判断した商品が、最初のコンテナの到着時にはもう売れなくなっている。そんなケースを考えてみてください。
この記事で扱うのは、商品に踏み切る前にその差を見極める方法です。どの出荷管理ツールを選ぶよりも先に行うリサーチについて、判断に使う証拠と、その証拠をどこで見るかを説明します。
ドロップシッピング自動化プラットフォームが実際に担う範囲
ドロップシッピング自動化プラットフォームは、Shopifyなどで作ったストアを、AliExpressや独自カタログの仕入れ先につなぎます。商品の情報を取り込み、注文が入るとすぐに仕入れ先へ送る。追跡番号を顧客に反映し、価格設定ルールを適用し、仕入れ先が欠品したら在庫数を正しく更新する。こうした反復作業を引き受けます。優れたプラットフォームの価値は、出荷業務の安定性で測れます。注文を滞らせず、配送日数を安定させ、追跡情報をすばやく示し、仕入れ先が連絡を絶った場合にも対応できることです。
ただし、これは商品リサーチではありません。プラットフォーム内の商品カタログも、その代わりにはなりません。仕入れ先のカタログは、そのカタログ経由で動いている商品を上位に並べます。測っているのは他のドロップシッピング事業者からの注文、つまり売り手側の需要です。買い手の需要については何も示しません。1万のストアが同じ商品を取り込んだだけで、その商品がランキングの首位になることもあります。そして、そのストアたちは同じクリエイティブを使い、同じ広告オークションであなたと競うことになります。
順番はこうです。まず、公開市場で確認できる証拠を使って何を売るか決める。その後で、自動化プラットフォームを使い、販売業務を低コストで回す。順番を逆にすると、効率よく自動化されたストアだけができあがり、肝心の自動化する価値がある商品がありません。
「広告に出ている」と「売れている」は別のシグナル
広告は誰でも出せます。数ドルあれば始められ、証明できるのは、誰かがアイデアを思いついたということだけです。知りたいのは、広告費をかけ続けても残ったものです。その手がかりは、自分の広告アカウントの外に2つあります。
広告の掲載期間。 広告費を使い続けるかどうかは、毎日判断されます。成果の出ない広告は、掲載している間ずっと費用がかかるため、通常は1~2週間以内に停止されます。1か月後も掲載中の広告が、放置された結果として残っているわけではありません。誰かが意図して費用を払い続けています。その人には成果の数字が見えますが、あなたには見えません。
クリエイティブが再アップロードされたかどうか。 停止し忘れたテスト広告なら、そのまま掲載されることはあります。しかし、わざわざ再アップロードはしません。再アップロードのたびに、同じ訴求へもう一度予算を投じる判断が下されています。広告についた「いいね」の数より、勝ち筋を見極める手がかりになります。
以下では、この2つのシグナルを1本の広告ではなく、カテゴリ全体に当てはめます。画面はSpytrendのものです。Spytrend自身の説明では、FacebookとTikTok広告向けの広告インテリジェンスプラットフォームです。2018年まで遡る広告アーカイブをAIで33の事業カテゴリに分類し、各広告主の広告、ページ、ドメイン、国を1枚のカードにまとめています。
このカテゴリをどう調べたか
対象に選んだのは、ドロップシッピングでは定番の米国向け家電・ガジェットです。同じ日にSpytrendで以下の手順をすべて実行し、各画面を保存しました。この記事の数字は、すべてその画面から取っています。
この調査で分からないこともあります。対象は1カテゴリ、1か国、1日だけで、件数のカウンターは動き続けます。「ステータス」は「すべて」のままにしたため、一覧には掲載中の広告と停止済みの広告が混在します。「掲載日数」を30日に設定した後、結果件数のカウントは完了しませんでした。そのため、ステップ2には設定前後を正確に比較できる2つの数字がありません。残存率にはステップ4の国別内訳を使います。また、最後まで追った運営者は1件だけです。
ステップ1.今、このカテゴリで何が広告に出ているかを見る
まずカテゴリ全体を見ます。商品を1つに絞ったり、そのプラットフォームの利用者が取り込んだ商品の順位しか分からない自動化プラットフォームの中から始めたりはしません。広告を国、商品が属するカテゴリ、形式、ステータスで絞ります。すると、これから参入する広告オークションの競合一覧が見えます。聞いたことのない事業者も含まれます。
米国の家電・ガジェットに2つのフィルターを設定すると、カウンターは1,629,156件の広告を示しました。これがカテゴリの元の規模です。過去に記録された広告が、成果を出したものも放棄されたテストも含めて並んでいます。
この数字だけでは役に立ちません。「トレンド商品」のリストが土台にしている総数であり、そのうち今も広告費を払って掲載されているものが何件あるかは分からないからです。ここからの各ステップで、意味のある部分まで絞り込みます。
ステップ2.掲載日数で絞る
次に「掲載日数」の下限を30日に設定し、同じ一覧を見直しました。残った広告は、おおむね1回の予算サイクルを乗り切っています。予算サイクルを偶然乗り切る広告はありません。この条件だけで、トレンド商品リストに載るものの大半を除けます。
カードの表示は合わせて読みます。掲載日数、現在も掲載中かどうか、クリエイティブの再アップロード回数が一度に分かります。上の行では、ある広告主が3,404回、別の広告主が451回再アップロードしています。これが2つ目のシグナルで、偽装しにくいほうです。長期掲載は放置でも起こり得ます。再アップロードは必ず判断を伴います。
競合が多いカテゴリなら、日数の下限を上げます。新しいものを探していて確実性を多少犠牲にできるなら、下げます。それぞれの基準から言えることは次のとおりです。
| 掲載日数 | そこから分かること | 使う場面 |
|---|---|---|
| 7日以上 | 手がかりにはなるが、証拠にはならない | 新しいものを探すとき |
| 30日以上 | おおむね1回の予算サイクルを乗り切った | どのカテゴリでも基本の基準にするとき |
| 60日以上 | 季節性のあるカテゴリでも、かなり強い根拠になる | 競合が多いカテゴリを見るとき |
| 90日以上 | 単発のキャンペーンより、事業に近い | 何をテストするかではなく、何に対抗するかを決めるとき |
ステップ3.訴求の切り口を読む
一覧を絞ると、繰り返されているのは商品そのものよりも、訴求の切り口だと分かります。冒頭3秒で示す悩み、実演、使用前後の見せ方、価格の伝え方です。クリエイティブでは、重複した広告が1枚のカードにまとまります。多くのページで使われているクリエイティブも、使用件数を添えた1件として表示されます。何百件もの広告を、何百もの別々の広告主だと見間違えずに済みます。
1件の動画カードを開きました。この動画は4,387件の広告に使われ、スクリーンショットを撮った日には、そのうち406件が掲載中でした。83の広告主が65の異なる運営者にまたがって使用し、最も長く連続掲載された期間は87日でした。
65の異なる運営者が同じ映像を使った広告に費用をかけているのは、偶然でも、トレンドレポートに載るだけの話でもありません。特定の商品をどう見せるかという切り口に、実際の広告費が投じられています。アイデアがどれだけ実証されているかを示すのは運営者の数で、広告の総数ではありません。持ち帰るのは訴求の切り口です。自分の映像と自分のオファーで作り直します。元の動画ファイルをそのまま使えば、同じオークションで元の広告と競うことになります。
ステップ4.カテゴリ全体を一行の数字で読む
商品を決める前に、カードの一覧ではなく、カテゴリ全体を一行の数字として確認しました。国別内訳で見たいのは、商品リストでは分からない「まだ参入する余地があるか」です。
ここでは2つの数字を読みます。まず残存率です。過去に記録された1,629,164件の広告のうち、現在も掲載中なのは54,799件。およそ100件に3件です。これがカテゴリの実態に近い比率です。商品を「勝ち商品」と呼ぶリストを見るときは、この比率と照らし合わせてください。
次に、ファンページの平均存続期間は214日です。ページが短命なら、市場の競争は激しく、取り締まりも厳しい。長く続いているなら、既存の事業者は安定しています。その場合、新規参入者には明確な差別化が必要で、値下げだけでは足りません。約7か月という長さからは、市場が落ち着いていると読めます。どちらも、そのカテゴリを避ける理由にはなりません。ただし、必要な予算は大きく変わります。
参入のタイミングを判断するには、ある期間をその前の期間と比べます。1回のスナップショットでは方向が分かりません。新しい広告の件数が1週間で倍増したカテゴリは、季節要因があるか、誰かに見つかり始めたかのどちらかです。いずれにしても参入は数日遅れていますが、その程度の遅れなら挽回できます。トレンドは、この比較のための機能です。
ステップ5.1つの事業を分解する
このステップは商品選びの判断を変えますが、最も飛ばしやすいところです。1つのカテゴリで5つのストアが同じ商品を広告に出していると、売れていることを示す独立した5件の証拠に見えます。実際には、5つのドメインを使う1事業者であることがよくあります。
ウェブマスターのセクションなら、その違いが分かります。1事業者の広告、ドメイン、ページ、ピクセルをあらかじめまとめ、国別の内訳とともに3つの軸で示します。これにより、「このニッチには実際に何社いるのか」を推測ではなく数えられます。同一の運営者に属する5つのドメインは、証拠としては1件です。この修正だけで、商品を扱うかどうかの判断が変わることがあります。
この運営者のカードを開くと、掲載中と停止済みの比率からも分かることがあります。掲載を続けているのは広告100件あたり約2件です。大量にテストし、生き残る広告はわずかで、30日間の傾向は下降しています。停止済みが大半なら、まだ適切なクリエイティブを探している段階です。掲載中が大半なら、成果の出るものを見つけて予算を投じている段階です。この2つでは必要な対応が違います。通常の広告一覧では同じように見えますが、ウェブマスターの画面なら区別できます。
次に、広告主からストアへ移りました。ストアのページには、広告だけでは分からない情報があります。月間訪問数、前の期間からの伸び、有料トラフィックの割合、そして掲載中の広告数とトラフィックの関係です。
覚えておくべき数字は、有料トラフィックの77%です。自然に流入してくる訪問者はほとんどいません。このストアの成否は広告次第で、利益率にはその広告費をすべて賄えるだけの余裕が必要です。
最後に、買い手が実際に到達するページを確認します。クローラーに表示されるページが、特定の国の顧客に表示されるページと同じとは限りません。オファー、価格、保証は実際のページでしか確認できません。広告カードには公称のリンクが表示され、その下のボタンから実際のページを取得できます。どのプランでも、どのリンクでも1回$1で、取得に失敗した場合は返金されます。そこで初めて、「このオファーと競えるか」を推測ではなく判断できます。
20分で行う手順
一連の流れに慣れれば、確認は短時間で済みます。商品を決める前に、毎週この順番で調べます。
- 検討しているカテゴリと国で絞り、絞り込み前の件数を見る。
- 「掲載日数」を30日以上に設定し、設定前後の件数を両方記録する。その差が、そのカテゴリの実際の当たり率を示す。
- 残ったクリエイティブを開き、それぞれの訴求の切り口を言葉にする。
- 国別内訳を確認し、単に規模が大きいだけでなく、参入する余地がある市場かを見る。
- 残った広告主を運営者ごとにまとめ、事業者の数を数える。
- 最も有力な運営者のストアを開き、トラフィックと広告量を比べる。
- 対抗する必要がある1つのオファーについて、実際のランディングページを取得する。
7ステップを一度に済ませれば、資金を出す相手に根拠を説明できる判断になります。
費用をかけずに始める
無料のStarterプランでは、広告データは3か月前のもので、利用できるモードにも制限があります。それでも、よく知っているカテゴリで一連の手順を試し、各セクションが自分の調べ方に合うか確かめるには十分です。国とカテゴリを設定して元の件数を見たら、「掲載日数」を30日以上にして、何件残るか確認してください。毎週調べるようになったら、料金ページで各プランを並べて比較できます。この種のツールで何ができるかを広く知るには、広告調査ツールの概要を参照してください。
FAQ
ドロップシッピング自動化プラットフォームとは何ですか?
ストアと仕入れ先をつなぎ、販売後の業務を自動化するソフトウェアです。商品を取り込み、注文を仕入れ先へ送り、追跡情報を顧客に反映し、価格設定ルールを適用して、在庫数を正確に保ちます。運営業務は回してくれますが、商品を選ぶのはあなたの仕事です。
ドロップシッピング自動化プラットフォームは、何を売るべきか教えてくれますか?
確かな答えは得られません。カタログ内のランキングが測るのは、他の売り手が取り込んでいる商品です。それはドロップシッピング事業者側の需要です。消費者需要の手がかりは、公開されている広告市場にあります。どの商品が広告に出ているか、どれほど長く掲載されているか、実際に独立した事業者が何社扱っているかを確認してください。カタログの順位を信じるのは、その後です。
商品を信頼するには、広告がどれくらい掲載されている必要がありますか?
通常の実務上の目安は、30日間の連続掲載です。おおむね1回の予算サイクルに当たり、成果の出ない広告は1~2週間以内に停止される傾向があります。60日や90日なら、さらに強い根拠になります。7日未満では手がかりにすぎず、まだ証拠とは言えません。
5つのストアが同じ商品を広告に出していれば、需要の証拠になりますか?
5つが別々の事業者である場合に限ります。広告、ドメイン、ページ、ピクセルを運営者ごとにまとめると、競合が多く見えたニッチで、実際には1事業者が複数のストアを運営していることがあります。上の例では、5つのドメインが同一の運営者に属していました。証拠は5件ではなく1件です。それなら判断も大きく変わります。
ドロップシッピングのカテゴリ調査には有料ツールが必要ですか?
まずは無料の広告ライブラリから始めるのが適切です。売り手なら誰でも使いこなせるべきです。調査が継続的な作業になったとき、有料ツールに費用をかける意味が出てきます。1つのブランドではなくカテゴリ全体を調べ、広告が掲載中という事実を超えて、実際に成果を出している手がかりを確認する場合です。広告の背後にある事業の姿を見ることも含まれます。