要点: 広告スパイツールの選択は、調べたい対象によって決まる。Spytrend、BigSpy、AdSpy、AdHeart、SocialPetaは、いずれも競合広告を調べるメディアバイヤー向けだが、得意な仕事は違う。各ツールの機能と料金を基に、どれを選ぶべきか比較する。
まず結論
最適な広告スパイツールは目的次第だ。BigSpy、AdSpy、SocialPeta、AdHeartは、競合の広告クリエイティブを大量に閲覧・絞り込みできる。Spytrendは個々の広告を並べる代わりに、ピクセル、ドメイン、ページID、IPを手掛かりに、すべての広告をウェブマスター単位でまとめる。これにより競合の広告ネットワーク全体が見え、収益性があると判定された長期配信キャンペーンもリアルタイムで示される。競合の運用全体を追うならSpytrend、新しいクリエイティブを次々に見たいなら広告ライブラリの規模が大きいツールを選ぶといい。以下では、メディアバイヤーの作業に関わる項目で比較する。
この比較が対象としない人: Google PPCかPinterestのキャンペーンだけを運用するチーム、またはホワイトラベルのレポート機能が必要な代理店。Spytrendが対象とするのはFacebook、Instagram、TikTokの広告クリエイティブ分析であり、複数の広告ネットワークを横断するプラットフォームではない。
ツール比較
5つの代替ツールはいずれも競合の広告クリエイティブを調べられるが、調査の深さと料金は異なる。Spytrendの特徴はウェブマスター単位のグルーピングだ。競合のピクセル、ドメイン、ページID、IPを1つのプロフィールに結び付ける。一方、表中の他のツールは広告主、ページ、ドメイン単位のグルーピングまたは検索を提供している。以下の料金は、2026年9月時点で各社のサイトに掲載されている最も安い月額有料プランを示す:AdSpy、BigSpy、AdHeart、SocialPeta、Tyver。
| ツール | 月額料金の下限 | 無料枠 | 対象ネットワーク | グルーピング単位 |
|---|---|---|---|---|
| Spytrend | $79(Pro)・$0 Starter | あり | Facebook、Instagram、TikTok | WM(ピクセル/ドメイン/ページID/IP) |
| AdSpy | $149(単一プラン) | なし | Facebook、Instagram | 広告主・ページ |
| BigSpy | $69(Starter) | あり | FB/IG、上位プランはさらに広い | ページ・ドメイン |
| AdHeart | $69 | あり(デモ) | Meta(FB/IG/Messenger) | ページ・ドメイン・IP |
| SocialPeta | 個別見積もり | 無料トライアル | 40以上のチャネル | 広告主・ネットワーク |
| Tyver | $79(無料プランは$0) | あり | Facebook / Meta | ファンページ・ドメイン絞り込み |
それぞれの使いどころ。 個々のクリエイティブを見るより競合の運用全体を把握したいなら、Spytrendが合う。ウェブマスター単位のグルーピング、ピクセル経由のつながりの追跡、「アクティブ」「停止中」「消失」のリアルタイム表示があり、無料のStarterプランから試せる。FacebookとInstagramの大規模な広告ライブラリを使いたく、単一プランで問題なければAdSpy。BigSpyは月額$69から利用でき、最上位プランでは最大11のプラットフォームに対応する。AdHeartは月額$69から利用できるMeta中心の選択肢だ。数十のネットワークを横断して調べる必要があるならSocialPetaが合う。TyverはFacebookに絞った調査でSpytrendと同じ価格だが、キーワード、ドメイン、ファンページで検索を絞り込める。
主な機能
Spytrendの中心的な差別化要素はWebmastersセクションだ。競合が配信する各広告を、ピクセル、ドメイン、ページID、IPのいずれかを手掛かりに、1つの運用者プロフィールにまとめる。つながりのないクリエイティブを順に見るのではなく、広告運用の全体像を追える。Spytrendには、この方法で構築された1,700万件以上のウェブマスタープロフィールがある。
ピクセルチェーンの追跡では、広告からランディングページ、ピクセル、サーバーまでのつながりを追える。表に見えるクリエイティブが別々でも、共通のインフラを使うキャンペーン間の関係が分かる。ギャンブル・ベッティングやEC・小売などの領域で競合を分析するアフィリエイターは、同じバックエンドにつながるトラフィックの流れを特定できる。
トレンド検出では、「爆発的成長」「早期シグナル」「復活」の3種類のシグナルを表示する。「爆発的成長」は、前日に新しい広告が5件以上あり、選択した期間の平均の3倍以上で、さらに新しいファンページが加わったクリエイティブが対象だ。「トレンド」では、前日、過去3日間の平均、過去7日間の平均と比較できる。新しい広告は数分以内にSpytrendに届き、広告の状態を「アクティブ」「停止中」「消失」でリアルタイムに確認できる。
クリエイティブの重複排除では、画像が同じバナーの重複版を最大50件まで1つの固有クリエイティブにまとめ、利用状況を集計して表示する。重複排除せず広告件数をそのまま表示するツールでは多様に見えがちなクリエイティブを、ノイズを除いて確認できる。
長期間配信されているクリエイティブも判別できる。5日以上配信された広告は、収益性があると判定され、指標上でマークされる。配信日数を見れば、公開されたばかりの広告より、配信が続いているクリエイティブを優先して調べられる。
Telegram botでの追跡では、ドメイン、ページ、広告主の新しい広告を@spytrends_botが通知し、保存した検索条件(たとえば特定の国のキーワード)をスケジュールに沿って繰り返し実行する(無料で3件、Proで20件の監視)。検索に加えて継続的に監視できる。
AIカテゴリ分類では、データベースを33カテゴリと342サブカテゴリに分類する。ギャンブル・ベッティング、EC・小売、ファッション・アパレル、美容・パーソナルケア、テクノロジー・ソフトウェア、アダルト・規制対象などが含まれる。「Webmasters」セクションで「By active」に並べ替え、「Date from」を7日前に設定すると、過去7日間で最も活発なウェブマスターが表示され、手動検索なしですぐに調査を始められる。
検索できるデータベースには、Facebook広告が14億件超、TikTok広告が3億7,000万件超、広告主が3,000万超(うち現在広告を出しているのは700万超)含まれ、FacebookとTikTok全体で1日あたり約1,000万件の新しい広告が追加される。ファンページ、テキスト、リンクで検索でき、国、言語、プラットフォーム、CTAの種類、形式、期間、いいね数で絞り込める。固有広告のみを表示する切り替えもある。画面上部には「トレンド」「新規24時間」「動画のみ」のクイックフィルターがある。
SpytrendはHTTP APIと21のツールを備えたMCPサーバーを提供している。有料プランには月40,000トークン(結果1件につき1トークン)が含まれ、チームは広告データを自社のレポート作成や入札のワークフローに取り込める。
総評
FacebookとInstagramで競合の広告運用全体を調べたいメディアバイヤーやアフィリエイターには、Spytrendが合う。個々のクリエイティブの収集にとどまらず、4つの識別子によるウェブマスター単位のグルーピング、ピクセル経由のつながりの追跡、広告の稼働状況のリアルタイム表示は、まさにその目的に合わせた機能だ。クレジットカード不要の無料Starterプランと、初回決済に対する14日間の返金保証が、試す際の負担を抑える。
Google、YouTube、モバイル広告ネットワークを横断して調べたいチームや、ホワイトラベルのレポート環境が必要な代理店には合わない。そうした用途なら、対象ネットワークが広いSocialPetaか、より広範なプラットフォームに対応するツールが適している。Spytrend自身も、それらを対象とするとは位置付けていない。
1,100人を超えるメディアバイヤーがすでにSpytrendを利用している。これは対象を絞ったユーザー基盤であり、製品の方針とも一致している。幅広さより深さを重視し、成果の出ているクリエイティブを1つ見るだけでなく、競合の広告ネットワークの構造を理解したい運用者向けだ。
FAQ
SpytrendはFacebookとInstagram以外の広告ネットワークにも対応していますか?
はい。TikTokにも対応しています。Meta広告ライブラリのFacebook・Instagram広告に加え、SpytrendはTikTok広告も扱います。TikTokの全機能はProとTeamに含まれます。Google、YouTube、ネイティブ広告ネットワークは収集対象ではありません。Telegram、WhatsApp、AmazonはFacebook広告とTikTok広告のリンクフィルターに表示されますが、個別の広告ソースではありません。
Spytrendのデータベース規模は、他のツールと比べてどうですか?
SpytrendはFacebook広告を14億件超、TikTok広告を3億7,000万件超追跡し、両方合わせて1日あたり約1,000万件の新しい広告が追加されます。現在広告を出している広告主は700万超です。2026年9月時点で、AdSpyのホームページには広告が2億1,100万件以上と記載されています。ただし、両者は件数の測定方法と示し方が異なります。数字を直接比べるより、検索の質とデータのまとめ方を見るほうが有用です。
無料プランやトライアルはありますか?
Spytrendにはクレジットカード不要の無料プランがあります。初めて有料プランを契約する人には、14日間の返金保証もあります。
Spytrendではどの支払い方法を使えますか?
Stripe、Visa、Mastercardで支払えます。契約期間は月払いまたは年払いから選べ、いつでも解約できます。
Spytrendは無料の広告スパイツールと何が違いますか?
無料の広告スパイツールでは、運用者とのつながりが分からないまま個々のクリエイティブが表示されます。Spytrendの「Webmasters」セクションでは、ピクセル、ドメイン、ページID、IPを使い、同じ競合の広告を1つのプロフィールにまとめます。こうして構築されたウェブマスタープロフィールは合計1,700万件以上あります。Telegram botの@spytrends_botによる監視とクリエイティブの重複排除も、その機能に加わります。
SpytrendのAI分類はどの分野に対応していますか?
Spytrendは33カテゴリと342サブカテゴリに広告を分類します。ギャンブル・ベッティング、EC・小売、ファッション・アパレル、美容・パーソナルケア、テクノロジー・ソフトウェア、アダルト・規制対象などが含まれます。手作業で検索語を工夫しなくても、4億4,000万件超のカテゴリ分類済みFacebook広告を業種で絞り込めます。