要点: 広告 競合分析ツールのBigSpyは、公式サイトに11の広告チャネルと、ShopifyやAmazonなど40のECサイトを掲載している。無料プランではFacebook広告に限り、1日5回の検索と20件のダウンロードができる。ただし、広告ごとに表示されるのは広告主のページ1つだけ。運営者が持つドメイン、ピクセル、ページのネットワークまでは結び付けられていない。

BigSpyとは

BigSpyが打ち出しているのは、広告ネットワークのカバー範囲の広さだ。公式サイトには11の広告チャネルが掲載され、Facebook、Instagram、TikTok、Google、YouTube、AppLovinなどが挙がっている。AppLovinは新しいチャネルとして告知されている。同じページでは、ShopifyやAmazonを例に40のECサイトにも対応するとしている。データベースの数字は「10億件超の広告インテリジェンス」と「約1,000万の広告主」。さらに「80か国以上」「26言語」と記載されている。

幅広さを前面に出したサービスで、有料プランは4段階、月額69〜499ドル。BigSpyでの検索を競合調査全体にどう組み込むかは、競合広告の調べ方で解説している。

BigSpyの広告データ:対応プラットフォームと規模に関する公表値

「10億件超」という数字は、公式サイト上部の「クリエイティブ10億件」カウンターと一致する。一方、チャネル数は変わっている。私のアカウントではネットワークのフィルターに10件表示されたが、現在の公式サイトには11件載っており、最新の追加はAppLovinだ。

広告検索のほかに、BigSpyは無料のChrome拡張機能も提供している。Chromeウェブストアに掲載された「Bigspy: Save FB and TikTok Ads」は、広告をワンクリックでBigSpyのコレクションに保存する機能として説明されている。Meta Ad Library、TikTokの通常フィード、TikTok Creative Center、TikTok Ad Libraryで使える。

BigSpyは広告データベースに加え、クリエイティブのスコア付け、トレンドの選定、AIによる広告文のバリエーション作成も打ち出している。アカウント上で直接確認できた機能もある。各広告の詳細画面には「AI支援機能」があり、利用枠付きの「AIプロンプト」が動作した。プラン画面ではStarterの枠が1日100回のAIプロンプトと表示されている。そのほかのAI機能については、確認できたページに利用上限や対象プランが見当たらなかった。「BigSpy AI」は実在する機能群だが、公開されている条件は一部に限られる。BigSpyは独立した製品として価格を設定していない。

確認したページには公開APIの説明が見当たらなかった。実際に無料で使い始める際の中心はFacebookだ。無料プランがFacebook限定だからだ。

私のアカウントの広告ライブラリ検索画面には、ネットワークとしてFacebook、Instagram、AdMob、YouTube、TikTok、X(Twitter)、Pinterest、Yahoo、Unity Ads、Pangleが並んでいた。計10件で、その後、公式サイトにAppLovinが加わった。隣にはEC向けの「ウェブサイトの種類」フィルターがあり、Shopify、WooCommerce、WordPress、Magento、BigCommerce、OpenCart、PrestaShop、Wixなどを選べる。検索期間の初期設定は直近90日。「EC」業種のフィルターをかけると「関連広告3億9,600万件」と表示された。標準の重複除外では1億8,900万件、厳格な重複除外では5,900万件まで減った。厳格モードで残る広告は、およそ7件に1件だ。

BigSpyの実アカウント内の広告ライブラリ検索画面。10プラットフォーム(Facebook、Instagram、AdMob、YouTube、TikTok、X、Pinterest、Yahoo、Unity Ads、Pangle)が並ぶネットワークのフィルター、ウェブサイトの種類のフィルター、EC/ゲーム/ツールの業種フィルター、広告/クリエイティブ/広告主の表示切り替え
BigSpyの広告ライブラリ検索画面、実アカウント

BigSpyの無料プラン:支払いなしで使える範囲

新規アカウントでは、Facebook広告に限り、1日5回の検索と20件のクリエイティブのダウンロードができる。BigSpyのFAQにも同じ条件が書かれている。上限は毎日リセットされ、無料プランに終了日はない。利用期限付きの無料トライアルはない。それに近いものは有料のトライアルだ。ほかのネットワークを調べたり、大量にリサーチしたりするには有料プランが必要になる。

そのFAQには、3日間で1ドルのProトライアルも記載されている。また、外部サイトには月額約99ドルのProプランを載せているところもある。ただし、私のアカウントのプラン画面にその名前はなかった(次のセクションを参照)。BigSpyの有料プランは実際には4段階で、「Pro」は含まれない。

私のアカウントでは、無料プランが「現在の契約:無料」と表示され、「残り検索回数」と「残りダウンロード回数」のカウンターが毎日リセットされる。

BigSpyのアカウント画面。「現在の契約:無料」と、日ごとにリセットされる残り検索回数・残りダウンロード回数のカウンター
BigSpyのアカウント画面、無料プランの契約状況

個別広告の詳細画面では、アカウント画面だけでは分からない制限も見える。広告主のページ名は、クリエイティブの詳細を開いても「Carre***Dizier」のように一部が伏せられていた。遷移先ドメインは詳細画面では「www.carrefour.fr」と全体が表示される一方、カード一覧では「www.***r.fr」となっていた。「ダウンロード」ボタンは無料プランではグレー表示で、押しても動かない。実際の広告へ移動する「詳しく見る」のリンクはクリックできた。

同じ画面の「AIプロンプト」には、私のアカウントで「プロンプトを生成(0/3)」と表示されていた。広告のクリエイティブを、外部のAI画像ツールに使うテキストプロンプトに変換する機能だ。

今回確認できていないこともある。私のアカウントは調査中ずっと無料プランだったため、有料プランで広告の詳細画面の何が使えるようになるかは分からない。

BigSpyの実際の広告のクリエイティブ詳細画面。広告主名は「Carre***Dizier」と一部伏せられ、ドメインは「www.carrefour.fr」と全体が表示される。無料プランではダウンロードボタンがグレー表示で使えず、「AI支援機能」内のAIプロンプトには「プロンプトを生成(0/3)」の利用枠が表示されている
BigSpyのクリエイティブ詳細:伏せられた広告主名、使えないダウンロード、AIプロンプトの利用枠

BigSpyの料金:実アカウントで確認したプラン構成

公式サイトでは、月額159ドルの「Growth」と最大月額499ドルの「Ultimate」という2つのプラン名が言及されていた。bigspy.com/pricingの料金ページでは、一般公開側から3回試してもプラン表を読み込めなかった。その代わり、外部のレビューサイトやクーポンサイトには、入門プラン「Basic」が月額約9ドル、「Pro」が約99ドル、「Group」が約249ドルと載っていた。

私のアカウントのプラン画面で確認できた。BigSpyの有料プランは4段階で、9/99/249ドルという金額も、「Basic/Pro/Group」という名前も表示されていない。

プラン 月額料金 利用人数 プラットフォーム クリエイティブのダウンロード
Starter 69ドル 1人 Facebook、Instagram、AppLovin(期間限定で利用可能)の3つ 1日50件
Growth(おすすめ) 159ドル 1人 Facebook、Instagram、Twitter/X、TikTok、Pangle、Google Ads、YouTube、AppLovinの8つ 1日300件
Scale 399ドル 5人(オーナー1人、メンバー4人) Growthと同じ8プラットフォーム 1人あたり1日300件
Ultimate 499ドル 1人 11ネットワーク。Pinterest、Yahoo、Unity Adsが加わる 1日3,000件
BigSpyの実アカウント内の料金プラン画面。Starterは月額69ドルでFacebook、Instagram、AppLovin(期間限定)に対応。Growthは月額159ドル、Scaleは月額399ドルで8ネットワーク、Ultimateは月額499ドルで11ネットワークに対応
BigSpyの料金プラン、実アカウント

これで、公式サイトにあるGrowthの159ドルとUltimateの499ドルも確認できた。画面を開き直すと、AppLovinが全プランに追加され、ネットワーク数はそれぞれ2、7、7、10から3、8、8、11に増えていた。外部サイトの9/99/249ドルは、どのプランとも一致しない。以前の料金体系を載せているようだ。つまり、BigSpyは無料で使い始められ、最も安い有料の1席は月額69ドル。11ネットワークと1日3,000件のダウンロードを使うプランは月額499ドルだ。

BigSpyで伏せられたページ情報と、運営者プロフィールの違い

BigSpyが重視するのは、できるだけ多くのネットワークで、どんな広告が配信されているかを見ることだ。SpytrendはFacebookとTikTokの広告を調べるプラットフォーム。2018年まで遡る広告アーカイブを持ち、AIで33のビジネスカテゴリーに分類している。広告主ごとに、すべての広告、ページ、ドメイン、国を1枚のカードにまとめる。対応ネットワークはFacebookとTikTokの2つだが、分析の単位が異なる。広告とページの背後にいる運営者を見る。Spytrendで検索すると、その分野で誰が広告を出しているかが分かる。BigSpyで検索すると、条件に合う広告がどのページに載っているかが分かる。この違いが競合調査にどう影響するかは、広告の競合分析ガイドで説明している。

カテゴリー分類。 BigSpyには「EC」「ゲーム」「ツール」の3つの大まかな業種フィルターがあり、広告主名、キーワード、ID、URL、国、言語でも検索できる。SpytrendはAIで広告を33のビジネスカテゴリーと342のサブカテゴリーに分類する。Spytrendの「広告」セクションで「ECと小売」に絞ると、Metaで67,868,044件、TikTokで13,941,692件が表示された。1つのフィルターで業界全体を見られる。

Spytrendの「広告」をMetaの「ECと小売」カテゴリーで絞り込んだ画面。結果は67,868,044件
Spytrendの「広告」、Meta、「ECと小売」
Spytrendの「広告」をTikTokの「ECと小売」カテゴリーで絞り込んだ画面。結果は13,941,692件で、カテゴリーのフィルターには10のサブカテゴリーが選択済みと表示されている
Spytrendの「広告」、TikTok、「ECと小売」

伏せられた1ページと運営者プロフィール。 BigSpyの検索画面には広告主表示への切り替えがあるが、私のスクリーンショットにはその表示は含まれていない。確認できるのは、広告カードと詳細画面に1つの広告主ページが表示され、無料プランでは「Carre***Dizier」のように一部が伏せられていることだ。それらの画面には、そのページを同じ運営者の別のドメイン、ピクセル、ページIDと結び付ける情報はない。Spytrendは逆から調べる。運営者の広告に共通するピクセルID、ドメイン、ページIDを照合し、あらかじめウェブマスターのプロフィールを作る。一致した広告、ページ、ドメイン、ランディングページをすべて1枚のカードにまとめ、国別の内訳も表示する。

「ウェブマスター」で「ECと小売」のフィルターをかけて見つけた例がDleplynaだ。1人の運営者の下に6ドメイン(稼働中は1)と103のFacebookページID(稼働中は4)が結び付いている。プロフィール上の広告は89,585件で、稼働中が6件、停止済みが89,579件。このネットワークは大半の配信を終えている。広告の多くは2つのドメインに集中し、dlumyno.comが45,004件、drikryna.comが40,862件。運営者名に使われているdleplyna.comは3,667件にとどまる。

ページ単位の表示では、名前が伏せられていてもいなくても、6つのドメインと100を超えるページIDは見えてこない。「ウェブマスター」の解説では、このプロフィールの作られ方を説明している。

Spytrendの「ウェブマスター」にあるDleplynaの詳細パネル。広告総数89,585件、稼働中6件、停止済み89,579件。6ドメイン(稼働中1)には広告45,004件のdlumyno.comと40,862件のdrikryna.comが含まれ、FacebookページIDは103件(稼働中4件)
Spytrendの「ウェブマスター」詳細パネル、Dleplynaのネットワーク

利用枠が残る部分。 BigSpyの無料プランでは広告を閲覧できるが保存はできず、AIプロンプトの利用枠は0/3、広告ライブラリの検索期間の初期設定は90日だ。Spytrendの無料Starterでは3か月より前の広告だけが表示され、有料プランでは最新の広告データも使える。Spytrendの料金ページには各プランの内容が載っている。BigSpyの料金ページではプラン表を確認できなかったため、直接確認してほしい。

BigSpyとSpytrendを比較

BigSpy Spytrend
対応プラットフォーム 公式サイトには11の広告チャネル(2026年9月29日)。アカウントのネットワークのフィルターには10ネットワーク(2026年9月14日)。加えて40のECサイト FacebookとTikTok。対応範囲は狭いが、その中の情報はより細かく整理されている
カテゴリー分類 3つの業種区分(EC/ゲーム/ツール)に加え、広告主、キーワード、ID、URL、国、言語で検索できる AIが割り当てた33のビジネスカテゴリーと342のサブカテゴリー
運営者ごとの集約 広告カードと詳細画面には広告主ページが1つ表示され、無料プランでは名前の一部が伏せられる(「Carre***Dizier」)。そこでは別のドメイン、ピクセル、ページIDとのつながりは表示されない 運営者ごとに「ウェブマスター」のカードが1枚。共通するピクセルID、ドメイン、ページIDを使ってあらかじめ照合されている
ダウンロード/エクスポート ダウンロードボタンはあるが、無料プランでは使えない(2026年9月14日)。有料プランでは1日あたりの件数に応じて利用可能(50〜3,000件/日) 有料プランでクリエイティブのメディアをダウンロードできる
検索できる範囲 広告ライブラリの検索期間は初期設定で90日。無料アカウントのAIプロンプト利用枠は0/3 有料プランで最新の広告データを利用可能。無料Starterでは3か月より前の広告だけが表示される
料金 無料プランの後、有料プランは月額69/159/399/499ドルの4段階(2026年9月25日) 無料Starterプランあり。有料プランは料金ページに掲載

BigSpyが向いている人、向いていない人

FacebookとTikTokのほかに、Google Ads、YouTube、Pinterest、X、Unity、Pangle、AppLovinのようなアプリ系ネットワークまで調べるなら、BigSpyはその範囲をカバーしている。無料プランで、支払う前にFacebook側も試せる。

一方、3つより細かい業種分類が必要な場合や、広告主の背後にあるページ、ドメイン、国を1人の運営者に結び付けたネットワーク全体を見たい場合は使いにくい。無料プランでは「ダウンロード」ボタンがグレー表示のままなので、見つけたクリエイティブを保存することもできない。1日5回の検索と90日の検索期間を超えるためだけに、月額69〜499ドルのプランは高いと感じるかもしれない。

BigSpyの代替ツール

幅広いプラットフォームへの対応という点では、BigSpy自体を置き換えるのは難しい。FacebookとTikTokに加え、Google Ads、YouTube、Pinterest、アプリ系ネットワークを含む11の広告チャネルを掲載している。広告調査ツールの比較では、ほかの選択肢と並べている。広告主のネットワーク全体を把握したい場合や、3つより細かい業種分類が必要な場合については、上のセクションで説明した。

自分でも確かめられる。BigSpyの無料プランもSpytrendの無料Starterも料金はかからない。自分のジャンルから広告主を1つ選び、両方で検索する。BigSpyに表示される情報と、「ウェブマスター」のプロフィールを比べてみてほしい。

FAQ

BigSpyとは?

BigSpyは、多くの広告チャネルを対象とする広告調査ツールだ。公式サイトにはFacebook、Instagram、TikTok、Google、YouTube、AppLovinなど11の広告チャネルと、40のECサイトが掲載されている。私のアカウントのネットワークのフィルターには10件表示された。MetaとTikTokの広告ライブラリからワンクリックで広告を保存できる無料のChrome拡張機能もある。

BigSpyの無料プランはどこまで使える?

BigSpyは無料で使えるが、制限がある。無料プランはFacebook広告のみで、1日5回の検索と20件のダウンロードができ、利用期限はない。私のアカウントには「現在の契約:無料」と、「残り検索回数」「残りダウンロード回数」のカウンターが表示された。ほかのネットワークや、より多くの調査には有料プランが必要だ。

BigSpyの料金はいくら?各プランの価格は?

BigSpyは無料から始められる。その後の有料プランは4段階で、私のアカウントのプラン画面で確認した。Starterは月額69ドル(Facebook、Instagram、期間限定のAppLovin)、Growthは月額159ドル(8プラットフォーム、1日300件のダウンロード)、Scaleは月額399ドル(同じ8プラットフォーム、5人で利用可能)、Ultimateは月額499ドル(11ネットワーク、1日3,000件のダウンロード)。外部サイトに掲載された9/99/249ドルのプランは、現在のどのプランとも一致しない。

BigSpyの使い方:何から始めればいい?

BigSpyにログインし、広告主名、キーワード、ID、URLのいずれかで検索する。国、言語、または「EC」「ゲーム」「ツール」の3業種でも絞り込める。無料のChrome拡張機能もインストールできる。閲覧中にMetaとTikTokの広告ライブラリから広告をBigSpyのコレクションへ直接保存する機能だ。

BigSpyは実際に使えるサービス?それとも紹介ページだけ?

BigSpyは実際に動く製品だ。公開サイト、Chromeウェブストアで公開中の拡張機能があり、約1,000万の広告主から10億件超のクリエイティブを収録していると公表している。月額69〜499ドルの4つの有料プランも、実際のプラン画面で確認できた。Trustpilotでの評価は25件のレビューに基づく5点満点中2.1点で、サンプル数は少ない。

BigSpyとSpytrendの違いは?

違いはまず対象範囲にある。BigSpyは多くの広告ネットワークと40のECサイトを検索する。広告ごとに表示される広告主ページは1つで、業種区分は「EC」「ゲーム」「ツール」の3つだ。Spytrendが対象とするネットワークはFacebookとTikTokの2つ。運営者ごとにドメイン、ピクセル、ページからなるネットワーク全体をあらかじめまとめ、AIで33のビジネスカテゴリーに分類する。有料プランではいずれも最新の広告データを利用できる。