要点: PowerAdSpyは最大11の広告ネットワークを扱う有料の広告競合分析ツール。無料プランはない。月額料金は$69、$99、$279、$399で、TikTokを使えるのは最上位プランだけ。トライアルについては、トップページ、料金ページ、登録フォームでそれぞれ異なる条件が示されている。
PowerAdSpyは自社をどう説明しているか
poweradspy.comのトップページは、PowerAdSpyを「AIを活用した広告の競合分析プラットフォーム」と呼ぶ。Facebook、Instagram、TikTok、YouTube、Googleで「100以上の国にわたって」配信されている広告を読み解けるという。訴求の柱は、大規模な広告データ、各クリエイティブに付くAIラベル、そして1つの契約で使えるネットワークの多さだ。
その下の機能カードには、AIによる分析の中身が書かれている。各広告を広告タイプ、意図、フック、提供内容の種類、オファーの種類、色に分けるため、「社会的証明を使った体験談広告」を1回で検索できるという。サイトには、プリセットとして保存できる40以上のフィルターも掲載されている。ウォッチリストは、追跡中の広告主が新しいクリエイティブを出すと通知する。レポートはPDF、CSV、APIで取得できる。
広告データの規模は、同じトップページに複数の数字があるため、特定しにくい。ファーストビューの数字は「収録広告5億件以上」「100以上の国」「毎日50万件以上追加」の3つ。さらに下の連携ネットワーク欄には、ネットワークごとのカードがある。Facebookは4,000万件、Instagramは5,000万件、Google検索は3,000万件、YouTubeは700万件、Redditは500万件、Pinterestは500万件、ネイティブ広告は500万件、Quoraは300万件、ディスプレイネットワークは100万件と書かれている。
この9枚のカードを足すと1億4,600万件で、冒頭の数字の3分の1にも届かない。Facebookには「収録数最多」のバッジが付いているが、Instagramのカードの件数はそれより多い。Facebookのカードには、1日あたりの広告数が「1L」と記載されているが、Lの意味は説明されていない。ファーストビューの「毎日50万件以上追加」と並べると、この2つの日次の数字も整合しにくい。
ネットワーク数もページによって変わる。連携ネットワーク欄には「1つの契約で10の広告ネットワーク」とある一方、カードは9枚。料金ページのPalladiumカードは「全11ネットワークを網羅」としており、トップページにカードのないTikTokとLinkedInが加わる。だからといってPowerAdSpyのデータが小さいわけではない。ただし、自社サイトにあるどれか1つの数字を、そのままデータベース全体の規模とは受け取れない。
PowerAdSpyの無料トライアル:同じオファーに3つの説明
PowerAdSpyに無料プランはない。代わりにトライアルがあるが、条件は読むページによって違う。トップページ末尾には「7日間無料。クレジットカード不要。いつでも解約可能」とあり、ボタンの下にも「カード不要」と書かれている。連携ネットワーク欄のバナーも「7日間無料」と繰り返す。
料金ページに書かれたPowerAdSpyのトライアルは別の条件だ。「Basicは3日間$1、Standard、Platinum、Palladiumは3日間$7で開始。通常料金の請求を避けるには、3日目より前に解約してください」とある。つまり、3日目より前に解約しなければ月額の通常料金に切り替わる。期間は3日間で、有料かつカード登録が必要だ。
登録フォームには、さらに3つ目の条件が出てきた。「Sign Up」ボタンから開いてBasicを選ぶと、全3ステップの1つ目に「本日の請求額 $69.00」、1か月後の次回請求、「今すぐ支払う金額 $69.00」と表示された。注文内容のどこにも$1の記載はない。その下には「いつでも解約可能」と「30日間返金」のバッジが並ぶ。
先へ進むには支払いが必要だったため、そこで操作を止めた。このレビューがPowerAdSpyの公開ページと登録フォームを基にしているのもそのためだ。アカウント内部の実際の画面、広告の鮮度、フィルターの動作は確認していない。既存ユーザーのログイン先はapp.poweradspy.com/amember/memberだ。
PowerAdSpyの料金:4つのプランとTikTokの扱い
PowerAdSpyの料金プランは、上位へ進むほど使えるネットワークが増える仕組みだ。各プランでは、下位プランのネットワークとフィルターに次のものが加わる。
| プラン | 月額 | ネットワーク | 追加される機能 | ブランド数の上限 |
|---|---|---|---|---|
| Basic | $69 | Facebook、Instagram(2) | キーワード、広告主、ドメインでの検索。基本フィルター。AIメタデータのフィルター(意図、フック、色) | 1 |
| Standard | $99 | +Pinterest、Googleディスプレイネットワーク(4) | ターゲティングのフィルター(種類、掲載位置、性別、年齢)、高度な広告分析、件数無制限の広告トラッカー | 5 |
| Platinum | $279 | +YouTube、ネイティブ広告、Google検索(7) | デバイス、アフィリエイト、EC、マーケティング、ファネルのフィルター。推定広告予算 | 10 |
| Palladium | $399 | +LinkedIn、TikTok、Quora、Reddit(11) | 追加される4ネットワークには、それぞれ「ニッチ分野をカバー」と表示 | 30 |
プランを選ぶ前に、この段階設定には2つ注意点がある。1つ目はTikTokだ。LinkedIn、Quora、Redditと同じく「ニッチ分野をカバー」と記された、Palladium限定のネットワークになっている。ところが料金ページのFAQは、「TikTokが必要になったらStandardからPlatinumに変更する」例を挙げる。PlatinumのカードにTikTokは載っていない。2つ目の「ブランド数の上限」は、同時に追跡できるブランド数を指し、Basicでは1、Palladiumでは30。アフィリエイト案件のフィルターが使えるのはPlatinumからだ。
年払いにすると、月額換算の料金は大きく下がる。ページに示された金額は、Basicが月額換算$27(年額$331)、Standardが$39($475)、Palladiumが$119($1,436)。いずれも年額を一括で支払う。月額換算の表示は端数を切り捨てており、$331を12か月で割ると$27.58だ。割引率は注記では「58~70%」、Yearlyの切り替え表示では「50~70%オフ」となっている。
買い手にとってはどういうことか。TikTokを使うには月額$399、または1年分を前払いする場合は月額換算$119が必要だ。
返金と評判
返金ポリシーは、数行の中で内容が食い違う。冒頭には「購入完了後の返金はできません」とある。次の節では「初回支払いから24時間以内であれば全額返金」と約束する。続く注記には「購入から3日以内に問題を報告した場合に限り返金可能」とあり、その後には「継続課金分は返金できません」と書かれている。
登録フォームの「30日間返金」バッジとも食い違う。トライアルは3日目に自動更新される。通常料金が請求された後は返金されない、と考えるのが安全だ。
外部のレビューは中程度の評価だ。TrustpilotでのPowerAdSpyの評価は、57件のレビューで5点満点中3.6点。企業は2023年8月にそのプロフィールを管理下に置いている。評価の内訳は5つ星が多く、1つ星もそれより少ない割合で付いている。
PowerAdSpyが示すユーザー数も一致しない。利用者の声の欄には「1万人以上のマーケターが間違うはずがない」という見出しがある。一方、ファーストビューの製品画像には「世界中のマーケター10万人以上に信頼されています」とあり、10倍の数字だ。どちらかの数字や顧客アンケートの数値を引用するPowerAdSpyレビューは、ベンダー自身の主張を繰り返していることになる。
PowerAdSpyと比べたSpytrendの位置づけ
Spytrendは、FacebookとTikTokの広告を分析するプラットフォームだ。2018年まで遡る広告アーカイブを持ち、AIで33のビジネスカテゴリに分類する。広告主ごとに、すべての広告、ページ、ドメイン、国を1枚のカードにまとめる。扱うネットワーク数はPowerAdSpyより少ないため、比較の焦点はこの2つのネットワークをどこまで詳しく見られるかにある。
TikTokは2つある主要タブの1つ。 PowerAdSpyでは、TikTokは月額$399のPalladiumで「ニッチ分野をカバー」するネットワークとして加わる。SpytrendはFacebookとTikTokを2つのデータソースとして扱い、同じカテゴリ体系の下にそれぞれのタブを設けている。Metaタブで「Beauty and Personal Care」、配信中の広告、重複を除いたクリエイティブに絞り、再アップロード回数が多い順に並べると、結果は345,038件だった。先頭のカードはヘアスタイリング動画、フェイスパウダー、ミスワクのスティック、爪切りだった。
TikTokタブでは同じカテゴリを選び、配信状況で絞り込まない場合、14,563,255件が表示された。カードには「Beauty and Personal Care」と「Anti Aging And Cosmetic」のラベルが付いていた。2つのタブでは絞り込み条件が異なるため、件数同士は比較できない。
ブランド数の上限と運営者プロフィール。 PowerAdSpyはキーワード、広告主、ドメインで検索でき、追跡するブランド数をプランに応じて1~30に制限する。Spytrendの「ウェブマスター」は別の起点から調べる。ドメイン、ピクセル、Page IDを共有する広告を結び付け、1つの運営者に属するものを1枚のカードにまとめる。
Crestoriaのネットワークはその一例だ。広告は合計92,940件で、うち2,834件が配信中、90,106件が停止済み。8つのドメイン(配信中は2つ)と202件のPage ID(配信中は75件)にまたがる。広告数が最多のドメインはnamelandia.comの48,684件。次いでnomerie.coが25,220件、theravique.comが9,598件、nameverse.coが7,114件。ネットワーク名の由来となったcrestoria.coは2,281件だ。国別ではドイツが最多で、フランス、オーストリア、ベルギー、スイスが続く。
実際、crestoria.coというドメインだけで検索すると、この運営者の広告の3%にも届かない。グループ化の仕組みはウェブマスターのガイドで説明している。
広告費と無料での利用。 PowerAdSpyの推定広告予算はPlatinumから使える。Spytrendは競合の広告費を下限から上限までの範囲で示す。PowerAdSpyには無料プランがない。Spytrendにはカード登録不要の無料Starterプランがあり、見られるのは3か月より前の広告に限られる。プランと制限はSpytrendの料金ページにある。
PowerAdSpyが優位な点。 ネットワークの幅だ。Google検索、YouTube、ディスプレイネットワーク、ネイティブ広告、Reddit、Quora、Pinterest、LinkedInはSpytrendの対象外。PowerAdSpyはFacebook広告についても、全プランでフック、意図、色のAIラベルを付ける。サイトではPDFとCSVのレポート、APIも案内している。出稿先にこれらのネットワークが含まれるなら、その幅が料金を払う理由になる。
PowerAdSpyとSpytrendの比較
| PowerAdSpy | Spytrend | |
|---|---|---|
| ネットワーク | 最大11。Facebook、InstagramからGoogle、YouTube、Reddit、LinkedInまで | FacebookとTikTok |
| データベース規模(各社が公表する数字) | 「収録広告5億件以上」、毎日50万件以上追加(2026年9月25日) | Facebook広告14億件以上。FacebookとTikTokの新規広告は月約2億8,000万件、うちFacebookが1億7,000万件以上。193か国(2026年9月29日) |
| TikTok | Palladiumのみ($399)。「ニッチ分野をカバー」と表示 | 2つある主要タブの1つ |
| 無料での利用 | 無料プランなし。料金ページでは有料の3日間トライアル($1または$7)、登録フォームでは本日全額を請求(2026年9月24日) | カード不要の無料Starterプラン。対象は3か月より前の広告 |
| 追跡する対象 | ブランド。プランに応じて1~30 | 運営者プロフィール。ドメイン、ピクセル、Page IDを1枚のカードに統合 |
| 分類 | 基本のカテゴリーフィルターとAIラベル(フック、意図、色) | 33のビジネスカテゴリと342のサブカテゴリ |
| 広告費データ | Platinumから推定広告予算を表示 | 広告費の推定値を下限から上限までの範囲で表示 |
| 料金 | 月額$69、$99、$279、$399。年払いでは月額換算$27~$119(2026年9月24日) | 配信中の広告を見られる有料プランあり。料金ページを参照 |
PowerAdSpyが向く人、別のツールを検討したい人
Metaに加え、Google、YouTube、ネイティブ広告ネットワーク、Redditにも出稿する代理店やメディアバイヤーには、複数の契約を1つにまとめられる利点が大きい。フックや意図などのAIタグでクリエイティブのアイデアを整理するチームにも使い道がある。ただし、月額換算$27~$119の料金で利用するには、年払いを受け入れる必要がある。
TikTokが重要で、そのために月額$399は高すぎる場合や、支払う前に試したい場合は選びにくい。無料プランがないからだ。また、追跡中のブランド名の一覧だけでは、1つの運営者が持つすべてのドメインやページは見えない。どちらを選ぶにしても、トライアルを始める前に返金ポリシーを読んでほしい。3日目に自動更新される。
PowerAdSpyの代替ツールを選ぶ
PowerAdSpy自身のフッターには、Dropispy、Minea、PiPi Adsなどとの比較ページへのリンクがある。低予算でFacebookに絞って商品を調べるなら、Dropispyの解説で無料プランを確認できる。ショップを起点にドロップシッピングを調べるなら、Mineaの解説を参照。無料プランのある別の多ネットワーク型ツールならBigSpyがある。候補全体は広告スパイツールの比較記事にまとめている。
どのツールでも、支払う前に料金ページと登録フォームを並べて開こう。トライアル初日に実際に請求される金額を比べてほしい。
FAQ
PowerAdSpyは無料で使える?
いいえ。PowerAdSpyに無料プランはない。トップページはカード不要の7日間無料を案内する一方、料金ページには有料の3日間トライアルが載っている。Basicは$1、ほかのプランは$7で、その後は通常料金で更新される。登録フォームでは、Basicの本日の支払額が全額の$69と表示された。
PowerAdSpyの料金はいくら?
月額料金はBasicが$69、Standardが$99、Platinumが$279、Palladiumが$399。年額を一括で払うと、月額換算で約$27~$119になる。上位プランほどネットワークとフィルターが増え、TikTok、LinkedIn、Quora、Redditを使えるのはPalladiumだけだ。
PowerAdSpyでTikTok広告を見られる?
見られる。ただし月額$399の最上位Palladiumだけで、TikTokはLinkedIn、Quora、Redditとともに「ニッチ分野をカバー」と表示されている。料金ページのFAQはTikTok用にPlatinumを勧めるが、PlatinumのカードにTikTokはない。支払う前に対象プランを確認してほしい。
PowerAdSpyから返金を受けられる?
返金されるケースは限られる。返金ポリシーは購入後の返金を認めないとしながら、初回支払いから24時間以内の全額返金を認め、問題は購入から3日以内に報告するよう求めている。継続課金分は返金されない。登録フォームには「30日間返金」のバッジがあるが、ポリシーの記述はそれを裏付けていない。
PowerAdSpyは実在するサービス?
稼働している製品だ。公開サイトのフッターには「Copyright © 2018 – 2026」とあり、登録フォームも利用できる。Trustpilotには、企業が2023年に管理を引き継いだプロフィールがあり、57件のレビューで3.6点を獲得している。注意したいのは細かな条件だ。トライアル、返金、データベース規模の説明が、自社サイト内でページごとに異なる。
SpytrendはPowerAdSpyと同じサービス?
違う。PowerAdSpyは最大11のネットワークを扱い、ブランド名を追跡する。SpytrendはFacebookとTikTokを扱い、各運営者のドメイン、ピクセル、Page IDを1つのプロフィールにまとめる。運営会社も製品も別で、Spytrendには無料Starterプランがあるが、PowerAdSpyにはない。